この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
コイツ、本気で私を殺す気か?
ちょっとビビった隙に車は急発進。
「どこ行くかくらい教えてよ」
「ミーメの行きたがってたとこだ」
「……私の?」
はて? どこだろう?
観念して大人しく助手席から銀を眺めてると乱暴に車線変更しながら私をギロリと睨む。
「昨日、用事が思ったより早く終わったから、ミーメを迎えに来たんだぞ。なのに、お前は生意気にも留守。
仕方ないからハナコの相手して待っててやったのに、帰ってきやしねぇ……お陰で一睡も出来なかったじゃねぇか!
で、なんだ? 男と遊んで朝帰りか? いい度胸してるじゃねぇか! この、好きモンが! 男なら誰にでも足開くのか?」
「な、なんちゅーこと言うのよ! 誰が足開いたの? 見てもないのに、いい加減なこと言わないで!」
「ふん! そんなの見たくもねぇ」
「へぇ~、そう? ホントは見たかったんじゃない?私のナイスボディー」
売り言葉に買い言葉。少しばかりからかってやろうと思って、そう言ったのに……
「……見たい」
「へっ?」
「大人になったミーメの体……全部、見てぇよ」
「ぎぎぎき、銀、冗談は……よよよしてよ」
予想外の銀の言葉に助手席で悶絶する私。
「冗談でこんなこと言えるか! 鈍感クソ女!」
そう言った銀が突然、私の胸を鷲掴み。
「ひぃ~っ」
モミモミされ、実は嬉しかったけど、それ以上に恥ずかしくて銀の体を思いっきり突き飛ばす。
「うわっ! 何する!」
「あ、ええぇぇぇぇー!」
キキキーッ……ガクッ……
「うぎゃ!」
車が交差点の真ん中でホイルスピンして止まった。タイヤから焦げ臭い煙がモクモク上がっている。
「バカヤロー! 事故るとこだったぞ!」
「銀が変なことするからでしょ!」
「胸揉んだくらいで大騒ぎするな! バカ!」
徐々にヒートアップして熱くなる私と銀。もう周りのことなど見えない。車から転げる様に降りると交差点で取っ組み合いの喧嘩になってしまった。