この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
銀……銀はズルい。時々こうやって、私の心を乱す様なことをサラッと言ってくる。
さっきだってそう。気の有る素振りを見せられるとついその気になってしまうバカな私。
「なぁ、昨夜は誰と居た?」
「えっ?」
またその話しに戻るの?
「答えろ。シたのか?」
「だからぁ~シてないって!」
「ふーん……」
静かに箸を置いた銀が私をジッと見る。その目は完璧に疑ってる目だ。
「なら、確かめる」
「確かめるって……どうやって?」
「そんなの決まってんだろ?」
「えっ? わわわ……」
突然立ち上がった銀に調理台の上に倒され、私の両手は台の上に押し付けられてた。銀のたくましい体が私の上に覆い被さり、身動き一つ出来ない。
「銀、まさか……本気?」
「俺はいつでも本気だ」
「あ、でも、家の人が来たら……」
「心配すんな。この家には誰も居ねぇよ。親父たちはハワイ旅行で暫く帰って来ねぇし、お手伝いのおばちゃんは日曜だから休みだ」
「そそそ、そう……」
ぎこちない返事を返した私の耳にキスしながら、銀が囁く。
「全部……見せろ。ミーメの全てを俺に見せろよ」
その言葉だけで体の芯がジワジワと熱くなり、頬が火照って呼吸が荒くなる。
でも、私はまだ銀を信じきれてない。今抱かれたら、もう引き返せなくなる。だから……
「――いや」
銀の動きが止まり、私を見下ろす瞳が潤んでいる。
「なんでだ?」
「だって、銀の本心が分かんないんだもん。ホントに彼女……居ないの?」
「くどいぞ?」
「私、知ってるんだよ」
「何を知ってる?」
「銀が女の人と一緒に……」