この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
「良く分かんないけど、一応、感謝はしてる」
「それでいい」
銀は満足げに頷くと大きなデスクに足を上げ、偉そうにタバコを銜える。
態度ワル~
「じゃあ、次は俺が質問する番だ」
「へっ?」
真剣な顔して私を見上げるとゆっくり煙を吐き出す。
「高校はちゃんと卒業するって約束したよな? 中退って、どういうことだ?」
「あぁ、ソレ? まぁ色々事情があってね……」
華を妊娠したんだもん。高校なんて行ってられないっしょ? バカ銀!
「事情ってなんだ?」
「言いたくない」
「俺に逆らうな! 言え!」
あぁ~めんどくせ~
「校長がウザいこと言うから、ご自慢の愛車ボルボC70カブリオレをボコボコにしてやったらアッサリ退学になった」
「ボコボコ……」
私を見る銀の目が一段と険しくなる。
やっぱ、こんなバレバレの嘘じゃダメか?
「そうか、あのセンコーは俺も嫌いだった。良くやった。それなら仕方ない」
あら? 意外とアッサリ信じちゃった。
「次の質問だ」
ドキッ!
「えぇ~! まだあるの?」
「お前の履歴書に書いてあった住所のことだ」
「はぁ? 住所?」
「『エデンの園』2Fって、なんだアレ?」
なんだ、ソレか。ふぅ~華のことがバレたかと思っちゃったよ。