この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止

「ラブホまで行ってくれ」


お酒を飲んで運転は出来ないと、愛車のポルシェをパーキングに預けタクシーを拾ったのはいいが、もっとやんわりオブラートに包んだ言い方して欲しかった。


「おやおや? ラブホテルですか? どんな感じのホテルがお好み?」


興味津々って感じでニヤけてる運ちゃん。


「隠しカメラの無いとこを頼む」

「ラジャー!」


オイオイ、何が"ラジャー"だよ。てか、そんな極秘事項知ってるワケ? 恐るべし、タクシー業界の情報網。


街から少し離れた洒落たホテルの前でタクシーが止まった。


「このホテルはお勧めですよ。ここだけの話し……芸能人なんかも、お忍びで来るそうですよ」

「えっ! 芸能人? 誰? 誰?」


ミーハーな私は運転席にしがみ付き、運ちゃんの肩を揺する。


「それは……」

「それは?」


と、もう少しで聞けるとこだったのに、銀に無理やりタクシーから引きずり降ろされた。


「もう! 銀のバカ! 聞きそびれたじゃない」

「他人のエッチの話なんか聞いて何が面白い? 自分でスるのが一番だろ?」

「あ、確かに……」


説得力のある言葉に納得していると既に銀はホテルの中。


「待ってよ~」


タクシーの運ちゃんがお勧めするだけあって、落ち着きの有るモノトーンで統一されたシックなお部屋だ。


「風呂、一緒に入るか?」


その一言で、舞い上がってしまう。


キスをしながら服を脱がされ、全て脱ぎ終わっても銀の激しいキスは止まらない。


肩から下りてくる銀の冷たい指が私の体温で暖まると銀は私を抱き上げバスルームの湯船にゆっくり体を沈めた。


「久しぶりだね。一緒にお風呂入るの」

「そうだな」


お湯の中でも、意地悪な銀が私をいじめる。


「色っぽい顔してみろよ?」

「あ……」


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