この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止

冷静に私を観察してるその顔が憎らしい。


我慢出来ず彼を求めるとニヤリと笑った銀の指がゆっくり動きだす。


水面の凪が次第に大きな波となり、髪から滴る雫が激しく散る。


私の欲望を静めることが出来るのは、銀だけ。


「ふぅーっ」


ため息にも似た快楽の吐息が漏れ、体の深い部分で愛しい銀を感じる。


「好き。大好きだよ……銀」

「だろうな……」

「銀は? 銀は私のこと好き?」


こんな時だから確かめたい。あなたのその唇が『好き』と動くところが見たいの。


「まだ喋る元気あんのか?」


私の質問には答えず、体が壊れそうなくらい強く抱きしめてくる銀。


「お願い、聞かせて?」

「その内な……」


その素っ気無い物言いに、なぜか一段と感じて乱れるカラダ。


銀……狂おしいほど、愛してる。



ベットに場所を変え、再び愛し合う甘い時――


このまま時間が止まればいいのに……


何度も愛された体はベットに沈み、心地いい疲れは眠りを誘う……


「……ミーメ」

「んっ?」

「お前は風船みたいなヤツだな」

「何それ?」

「手を離せば、どっかに飛んでっちまう。引き寄せたと思っても、フワフワと俺の腕から逃げていきそうで……」


銀……それは、あなたも同じだよ。今こうして抱かれてても、明日の銀は分からない。


「1回しか言わないからな」

「えっ?」


私の唇を長い指がなぞる様にゆっくり動いたその時――


「ミーメのこと、愛してる……」


初めて聞いた"愛の言葉"その瞬間、まどろむ意識の中で、私は決心したんだ。


華のことを話そうと。あなたが華の父親なんだと……


銀の腕に包まれ、私は何度も何度も呟く。


私も、愛してるよ。銀……


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