この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止

さて……10時まで、どうやって時間を潰そう。


ちなみに、8時までという門限は、銀とよりが戻ったことで撤回された。


橋倉さんがアポで居ないのをいいことに、仕事中にもかかわらず携帯をいじっているとメールが受信された。


「あ、横田さんだ」


彼とは、あの酔っ払ってホテルに泊まった時以来だ。出張で海外に行ってるらしいってママが言ってたよな……


《ミーメちゃん、お久しぶり。元気でしたか? 今日、僕は日本に帰ります。お土産を渡したいので、良かったら会ってくれませんか?》


「ほほーっ、お土産ねぇ~」


これはいい時間潰しが出来た。


早速、OKのメールを送信。


仕事が終わると銀に華のことを頼んで、私は横田さんとの待ち合わせ場所に急ぐ。


駅前の美味しいと評判の洋風居酒屋だ。


私が店に入ると既に横田さんが来ていて日本酒で一杯やっていた。


「こんばんは。ご無沙汰でした」

「やぁ、ミーメちゃん。急に誘って悪かったね」

「いえいえ。丁度良かったんですよぅ」


笑顔で横田さんの向かいの席に座り、駆けつけの一杯。


「くぅ~仕事の後のお酒は最高っすね!」

「ははは…まるで、オヤジだな」


笑いながら横田さんは私の前に細長い包みを置く。


「ミーメちゃんに気に入って貰えるかどうか……お土産、受け取ってくれるかな」

「わぁ! ありがとです」


綺麗にラッピクグされた光沢のある包みを開けると中から現れたのは、可愛いネックレス。


「きゃあ! 素敵!」


喜ぶ私の顔を目を細め見つめてる横田さん。


「でも、凄く高そう……こんな高価なの貰っていいのかな?」


すると横田さんは首を大きく振り「ミーメちゃんに似合うと思って選んだんだ。ミーメちゃんの為に……」そう言ってニッコリ笑う。


「私の為?」

「そうだよ。ほら、付けてあげる」


横田さんが私の後ろに回り、髪をそっと撫でてネックレスを付けてくれた。


そして、温かい手が私の肩を優しく包む……


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