この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
「あ、ミーメか……」
「ミーメさん、お帰り」
「うん。ただいま」
「じゃあ、俺は帰るとするか」
「えっ? 銀、もう帰るの?」
なんか妙だ。銀も華も私の顔を見ようとしない。
「どうかした?」
私の問いかけにふたり揃ってブンブンと首を振る。
「今日は疲れたから、帰って寝るよ」
「あ、華も、もう寝る」
そそくさと銀が部屋を出て行くと華は一心不乱に布団を敷きだす。
「華?」
「じゃあ、ミーメさん。おやすみ」
「あ、おやすみ」
なんたろう? この違和感。
――次の日
華に昨日のデートのことを聞くと、一言「楽しかった」と言うだけで多くを語ろうとしない。
「まさか、銀に変なことされてないよね?」
「変なことって?」
「うっ、だからぁ~おっぱい触られたとか……色々と……」
「触られたよ」
うそでしょ?
「マジ?」
「一緒にお風呂入って洗ってもらったんだもん。当然じゃん」
「あ、それか……」
「ほらほら、ミーメさん。ご飯粒がお顔に付いてるよ。しっかりしてよね」
「……はい」
私の考え過ぎかな? なんか引っ掛かる。
会社に出社し、銀を観察してみたが、いつもと変わらずクールで男前だ。
非常階段でのキスも、いつもと同じで甘くてトロけそう……
「ねぇ、銀、華とのデートはどうだったの?」
「どうとは?」
「いや、だからぁ~華ったら、あんま元気無かったから……」
「ふーん」
ふーんって、気の無い返事だなぁ~
「心配するな。ちゃんと、ラブラブしてやったから嬉しくてポーッとしてんじゃねぇのか?」
「なら、いいけど……」