この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
●驚愕!!
今日のランチは、ありえないメンバーが顔を揃えた。
橋倉さんに、赤毛さん。そして、何故か田村さん。
会社近くの中華料理店を貸切にしたのは、もちろん金なら腐るほどある赤毛さん。
「ちょっと、たったの4人なのに貸切にすることないんじゃない? それに、この料理……何人分よ? 全部食べれるの?」
「重要な会議だ。他人に聞かれたら困るからな。会社の連中も利用する店だから、念の為だ」
「じゃあ、会社の人が来ない店にすれば良かったのに……」
「あ……」
赤毛さんが目を見開き、おしぼりをポトリと落とす。
「と、とにかくだ……あのメールを送ったのは誰か……だよな」
「そのことは、もういいよ」
「いいって、何よ!」
突然怒鳴ったのは田村さん。意表を突かれ、ポカンとしてると田村さんが立ち上がり、私を指差す。
「神崎さん、いい? 彼がこんなにあなたのこと心配してるのに、その態度は何? もっと謙虚になりなさい!」
「はあ……」
ついこの前まで、銀にお熱を上げてた人の言葉とは思えない。
「ねぇ~翔タン」
「あ、あぁ……アヤぴーは、ちょっと黙ってて」
翔タンにアヤぴー? 何それ……キモッ!
そんな風に思われてることなど知る由もない赤毛さんが真剣な顔で聞いてくる。
「沢村部長とあれから話した?」
「うぅん、連絡くれないし、話してない」
「そっか、実はさ、親父の話しだと、近々、役員会があるらしんだ。そこで、例のリゾート施設の報告会があるらしい。責任者は沢村部長だから、もしかしたら帰って来るかもだぜ」
「ホント?」
「でもな~1日くらいしかこっちには居ないだろうな」
「そう……」
もしそうなら、銀と話せるかも……でも、あんなに怒ってたもんな。私と会う時間作ってくれるかな……
とにかく、銀が帰って来るのを待つしかないな。