この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
「銀! どういうこと? 籍入れる前に教えてって言ってあったでしょ?」
当然、怒り爆発だ!
「んん~っ? そうだったか?」
コイツ、人の話しを全く聞いてない。
「ちゃんと言ったじゃん! なんで勝手にそんなことするかなぁ~」
「……心外だ」
「何がよ!」
「せっかく結婚してやったのに、なんだ? その態度は! ミーメは俺の妻になったんだぞ。もっと喜んで感謝して泣け!」
「泣けるか!」
怒りでハアハア言ってるとさすがに銀も悪いと思ったのか、謝って来た。
「悪かったよ……でもな、明日はイヴだ。もう今日しかなかったんだ。ハッキリ言って、親父たちのことは期待薄だ。俺は荷物をまとめてある。反対されたら、その足で家を出るつもりだ。ミーメも覚悟しとけ」
「あ……」
銀の覚悟を聞いて、もう引き返せないんだと愕然とした。
「ミーメは、俺だけのモンだ。もう何があっても手放したりしない」
「……銀」
銀は全てを捨てて、私を選んでくれた。なのに私はビクビクして迷ってた。
情けない。こんなんじゃダメ! 私も銀と同じ気持ちにならないと……
「銀、私、決めたよ。どんなことがあっても、銀に着いてく。社長さん達に反対されても、絶対諦めないから」
「あぁ……」
「大丈夫。貧乏には慣れてるし」
「そうだな。頼りにしてるぞ。沢村美衣芽さん」
おどけた銀の声……
そうなんだ。私はもう、銀の妻なんだから、銀は私が幸せにする! よし! 気合だ!!
「ドン! と任せといて!」