この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
ハプニングだらけの披露宴もなんとか終わり、次は親族全員での写真撮影らしい。
撮影スタジオに入ると亜希菜が駆け寄って来た。
「ミーメ、あなたの旦那さんって、あの下着泥棒だったの?」
「あ、それは、違う……」
「いいのよ」
「いいって、何が?」
「事件の加害者と被害者がこうなることは珍しいことじゃないわ。ミーメの下着を盗んでくれる人なんて、そうそう居ないだろうし、よほどのゲテモノ趣味なのね……
でも、安心して。このことは誰にも言わないから。下着泥棒さんとお幸せにね」
亜希菜はド真面目な顔で私の手を握る。
「あの、亜希菜、それは……」
「いいから、いいから」
否定しようとしたのに、亜希奈は全く人の話しを聞こうとしない。そうこうしていると、撮影が始まってしまった。
全員びしょ濡れの異様な風景。その中でも、一番悲惨な副社長さんに、華が話しかけてる。
「おじちゃん、燃えちゃって可哀想だから、コレあげる」
華が差し出したのは、レア物のピョンコリーナちゃん
「いいのかい?」
「うん。またパパに取ってもらうから、いいよ」
副社長さんの嬉しそうな笑顔。命懸けでゲットしたウサギのぬいぐるみを愛おしそうに抱きしめてる。その幸せそうな顔を見て思った。
銀のお兄さんじゃなかったら、絶対、関わりたくない人、ナンバーワンだ。
こうして、最高でもあり、最低でもある結婚式は幕を閉じた。
そして、予定されてた二次会は、皆ずぶ濡れの為、日を改めることにして、私と銀はそのままホテルの部屋へ……
突然のことで銀の仕事の調整がつかなかったから、新婚旅行は暫くお預けだ。
でも、今夜は夫婦水入らずで……初夜。
部屋に入ると濡れて冷えた体を銀が抱きしめ温めてくれる。
「風呂……一緒に入るか?」
「もちろん!」
「……ちっとは、恥じらえ」
そう言いながらも、銀の手は私の服を脱がしている。肌と肌が触れ合い、徐々に高揚していく気持ち。
待ちきれなくて、まだお湯が入ってないバスタブにふたりして入ると銀がレバーを上げ、勢い良く迸るシブキを受けながら、何度もキスを交わし愛を確かめ合う。
「お湯が入るまで、ずっとキスしてて……」
「入るまででいいのかよ?」
「うぅん、ずっと……ずーっと、キスしていたい」