この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
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結婚式から一ヵ月……
なんの予定も無い休日。私と銀は、新居である高層マンションの最上階ペントハウスで少し遅い朝食を食べている。
眼下に見下ろすビル群も、最近は見慣れてきた。
当初は銀の実家で暮らすことになってたんだけど、華が今の保育園で卒園式をしたいとダダをこね、保育園から近いこのマンションに住むことになったんだ。
その代わり、夕食は実家で食べるという約束をさせられ、毎日、実家に通う日々。でもまぁ、私としては、美味しい夕食をご馳走になり食費も浮く。お陰でお金が貯まって仕方ない。
今の生活に大満足だ。
そして週末には、駿矢と一緒に居たいと華が実家にお泊りするから、私と銀は新婚気分を満喫出来る。
実は、昨夜も凄かった……
「おい、いつになったら、ウチの味噌汁に具が入るようになる?」
「えっ? 具……いるの?」
「いるだろ? せめてネギくらい入れてくれ」
今日の朝食のメニューは、具の無い味噌汁と味付けのり。
初めの2~3日は文句を言ってた銀だけど、卵焼きを出した時から、なぜか味付けのりだけでいいと言い出した。理由は……分からない。
「あぁ、そうだ。義母から預かってきたモノがあったんだ……」
ビジネスバックから取り出したのは、大きな白い紙袋。
「あっ! 結婚式の写真じゃない? やっと出来上がったんだ~。リビングの一番いいとこに飾ろうね」
「どれ? 早く見せてみろ」
ふたりでワクワクしながら皮の表紙を開くと……
見たことを後悔する様な結婚写真って……どうなのよ?
確かに、悲惨な姿だったことは認めるよ。でも、修正出来るって言ってたじゃない〜
「修正……しきれなかったんだな」
銀がそう言って静かに皮の表紙を閉じる。
「ミーメ、リビングに飾るって言ってたよな? 今でも、その気持ちは変わらないか?」
そんなの、考える必要もない。
「……やめとく」
銀がホッとした顔で「いい選択だ」と頷いた。
早々、結婚写真を封印しようと紙袋にしまっていたら……
「……あれ? 袋の中に、まだなんか入ってる」