この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
●同居?それとも…同棲?
「……い、おい……」
「んっ?」
「おい! 起きろ!」
「う、うわっ!」
起こされて眼を開けた瞬間、私の視界のほとんどを占領していたのは、銀之丞の顔面。
「な、何?」
一発で目が覚めた。
潤んだ瞳で、私を見つめてる。もしかして……銀之丞って、朝スる派?
懲りもせず、またまた妄想。ダメだ。私、変態丸出しだ。
今度こそって覚悟を決めたのに、彼の口から出た言葉は――
「腹減った。なんか食わせろ」
「はぁ?」
「お前も学校あるんだろ? 早く起きて飯作れよ」
命令口調のその言い方にカチンときた。
「何? まるで私が朝ごはん作るの当然って感じに聞こえるんだけど……」
「当然だろ?」
「アンタ、何様のつもり? 泊めてもらって、その物言いはないっしょ?」
布団の上に座り、腕組をして銀之丞を睨みつける。
すると何を思ったか、銀之丞は私の両肩に手を置き顔を近づけてくる。そして、耳元で甘い声で囁いたんだ。
「悪かった。頼むよ……お前の作った飯が食いたいんだ。いいだろ?」
熱い吐息を吹きかけられ、ヘナヘナと腰砕け~
「し、仕方ないわね。今、用意するよ」
まるで魔術師の様に私に変な術をかける銀之丞。逆らえない。完全に、コイツに操られてる……