この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
でも、マンションに入れたのはいいが、銀の部屋が分からない。1階から部屋をひとつひとつまわり表札を確認していく。
これがまた、面倒くさい!
20階が全滅した時点で帰ろうかと思った。でも、ここまで来たんだ。もうひと頑張りするか……
重い体を引きずり21階へ――
すると「あぁぁぁぁぁ…あったー!!」確かに『沢村銀之丞』だぁー!
「クソ銀! 偉そうに21階なんかに住んでるんじねぇーよ。1階にしとけよな!」
ブツブツと独り言を呟きながら部屋を見つけた達成感に浸っていたが、さて、これからどうする? 取りあえずピンポン鳴らしてみる?
ふぅーー…大きな深呼吸をひとつ。
遠慮気味にチャイムを押してドキドキしながら待つこと数分。でも……
あれ? あれれ?
もう一回鳴らしてみるが、ドアが開く気配はない。
今度は連打! ピンポーン。ピンポーン。ピンポンピンポン……
居るはずなのに、なんで出て来ないのよ!
今度はドアをドンドンドン!
でも、ドアが開くことはなかった。
もう~頭きたー!
ドアのノブを掴みガチャガチャすると……カチャッ…
「えっ、開いた…?」