この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止

ママが呆れた様に笑う。


「アンタ、面白いこと言うね」

「私、本気です。やるからにはテッペン目指しますから!」


意気込みだけは伝えられたか?


すると美人さんが「いいんじゃない?やる気が一番よ。でも、テッペンの座は渡さないわよ」とニヤッと笑った。


「えっ? それって、あなたもニューハーフさん?」

「そうよ」

「げーーっ!! マジっすか?」


この人が……男? この妖艶な色気ムンムンの彼女が……男? ホンモノの私、完全に負けてる。


唖然としてるとママが呆れ顔で言う。


「ミミがそう言うなら仕方ないわね。おチビちゃん、今日から働いてもらうからね」

「は、はい。宜しくお願いします。あの……それと、一つお願いがあるんですが……」

「何?」

「実は、その~住む場所が無くて……お店が終わったら、ここで寝かせてもらってもいいですか?」

「はぁ? ここで寝る?」

「ダメですか?」


ダメならホームレス決定だ。


手に汗握り、返事を待つ。


すると美人さん……もとい、ミミさんが天井を指差した。それを見てママがため息を漏らしながら頷く。


「このお店の2階に物置になってる部屋があるの。自分で片付けるんならそこで寝ていいわよ」

「ままま、マジっすかぁー! 片付けます! 綺麗サッパリ片付けます!」


余りの嬉しさにママに抱きつき熱い抱擁。


「ママー、大好き!」

「ちょっと、私は女には興味無いんだから離れなさい!」

「やん」

「離れなさい!」

「ママ……プヨプヨで気持ちいい~」

「ミミ、アンタ、なんちゅー子を連れてきたのさ!」


ママったら、見かけによらずシャイなんだ。でも、このプヨプヨ感
超気持ちいい。癖になりそう。




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