この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
そんな……たとえ裏切り者で、憎っくき男でも、それは余りにも可哀そ過ぎる。
ひとり寂しく、銀があんなことを……あぁ~想像したくなーい!
私は銀にしがみ付き「ダメダメ! 銀、ダメだってー」と絶叫する。
「はぁ? 何がダメなんだ? ったく、こんなんなら別のヤツを連れて来るんだったな」
「えっ……」
それって、私じゃなくても良かったってことだよね。誰でも良かったってことなんだ。
ショックだった。でも、それ以上に怒りが込み上げてくる。
「銀! アンタ、女をバカにしてるでしょ? 最低の男だね」
「なんだよ。お前、さっきから訳分かんねぇことばっか言ってるよな?」
呆れた顔で私をチラ見すると自動ドアの中に入って行く。
「ちょっと、待ちなさいよ~話しは終わってないんだから!」
銀を追いかけラブホの玄関に突進。
すると銀は、部屋の写真が幾つも並んだパネルの前で携帯を取り出し、誰かと話し始めた。
「…305号室? あぁ、分かった」
誰と話してるんだろう?
「なんだ? 結局、来たのか?」
私に気づいた銀がそう言うとエレベーターを指差し「乗れ」と命令する。
誤解しないでよね。エッチするんじゃない。銀に説教する為なんだから。
エレベーターを降り305号室のドアを開けると……
「わぁ~」
凄い豪華な部屋だ。でも、さっきの電話の会話が気になる。もしかして、銀はここの常連さん? しょっちゅう来てるからビップ扱いなのか? まさか、マイルームとか?
益々もって、気に入らない。
でも、この独特な空気は……何? エロチックな雰囲気ムンムンだ。
「適当に座ってろ」
銀が指差したのは、これまたいかがわしいデカいベットだった。