この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
なんだ……そういうことか。てか、なんでわざわざラブホの部屋なワケ?
「ここの事務所は狭くてね。それに、関係者以外には見せられないモノもあるし……」
「見せられないモノ?」
なんだソレ。めっちゃ気になる。
身を乗り出し答えを待ってると銀が私の頭をパコンと叩く。
「お前なぁ~ここに仕事で来てるって自覚あんのかよ? リラックスしまくりだろ?」
「あ、ごめん」
銀は舌打ちしながらパンフレットをラブホのお兄さんの前に置く。
「早速だが、この物件は、コテージとゴルフ場付でプライベートビーチが目の前っていう最高のロケーションだ。金額は250万。支払いは現金にしろ」
「しろ……って、相変わらず強引だな~銀之丞は……」
困った顔のラブホのお兄さんが頭をポリポリ掻く。
「まさか断るってことはないよな? もし断ったら、ここが巨額の脱税をしてるって国税局にバラすぞ」
「えっ! お兄さん、脱税してるんですか?」
「バ、バカなことを……巨額の脱税なんてしてないよ。ほんのちょっとだけだって」
結局、してるんだ……
てなワケで、契約成立!
それにしても、銀ったらなんて汚い営業してんだろう。まるで、ハイエナの様だ。
"ハイエナの銀"
おぉ~中々、いいネーミングだ。
「それで銀之丞たち、これからどーするの?暇ならここで休憩してってもいいよ。部屋空いてるし」
ゴーン!
なんちゅーことを言ってくれるのよ! と、思いつつも銀がなんて答えるのか興味津々だった。