この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
ミミさんがお店に戻って行くと、なぜか3人で"オイチョカブ"をする羽目に……
「今度は、ミーメさんが親だよ」
「はいはい」
「もう! "はい"は一回でしょ?」
銀と同じこと言ってるし……チビ銀だな。
でも、この横田さんって人、優しい人なんだな。華が負けそうになるとさり気なく自分から負けてくれてる。
「ねぇ、君、美衣芽ちゃんって名前は本名なの?」
「あ、はい」
「……そう、珍しい名前だね? 気に入ってる?」
「えぇ、まぁ、そこそこ」
変なこと聞く人だな……
それから3時間ほど"オイチョカブ"をして横田さんは帰って行った。
珍しく華が「帰らないで」とダダをコネていた。よっぽど彼が気に入ったみたいだ。
その後、ミミさんに横田さんのことを聞いてみたら、どうも大きな会社の専務さんだそうで、年は43歳。
普段、かなりストレスが溜まる仕事をしてるので、時々『エデンの園』に来てストレス発散してるそうだ。
ストレス発散? 反対にストレス溜まる気がするんだけど……まぁ、人それぞれだもんな。
――そして、次の日……
「わぁお! 寝過ごしたー!」
昨日、深夜までやってた"オイチョカブ"がいけなかったんだ~
朝食もそこそこに、まだ半分寝てる華を抱えてお店を飛び出し保育園にダッシュ!
「お早うございまーす。宜しくお願いしまーす」
「あ、神埼さ~ん」
振り返るとまた、あの新人保育士だ。
「なんスか?」
「口紅、はみ出てますよ。もしかして、朝から濃厚チュー?」
すると、また上手い具合にあの時のママ友が隣に居て、目がキラリと光る。
「華ちゃんママ、6年ぶりに……シた?」
「シてないって!」