この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
それから華は、何度負けても泣くことはなく銀に立ち向かっていった。
その華の成長した姿に私は感動すら覚え、熱いものが込み上げてくるのを感じた。
華! ガンバ!
でも、結局、華は一度も銀に勝てなかった。
気がつけば、もう11時。真剣勝負で力が入り過ぎたのか、3人ともクタクタだ。
眠そうなトロンとした目をした華だったが、銀の腕を掴み離そうとしない。
「銀さまぁ~今日は、ここに泊まってって? 華と一緒に寝て?」
ゲッ! 華、何言ってんのよ。
「ダメダメ! 銀は帰るんだから。華、手を離しなさい」
「いやぁ~銀様と寝るのぉ~」
必死に華を銀から引き離そうとしてる私の手を銀が掴み、首を振った。
「泊まってく」
「な、バカなこと言わないで!」
「バカにバカなんて言われたくない。俺も疲れた。今日は、ここに泊まる。布団を敷け」
銀のその言葉を聞いて安心したのか、華がゆっくり瞼を閉じる。そして銀が自分の膝の上に華を抱き上げ優しく頭を撫でてる。
一瞬、私の心に罪悪感が広がった。
今日会ったばかりのふたり。親子だなんて知らないはずなのに、こうやって見てるとなんの違和感もない。やっばり、何か引き合うものがあるのかな。
そう思うとこれ以上反対する気にもなれず、キャサリンママにお布団を借りて狭い部屋に3組のお布団を敷く。
華を真ん中に、川の字になって寝た。
なんか変な感じだ。
眠れず、何度も寝返りをうっていると微かに銀の声がした。
「眠れないのか?」