この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止

遅刻せず無事出社し、朝礼が始まる。


銀が前に立ち昨日の営業成績の発表をしてる。いつもの風景なのに、どこか違ってた。


目の前の銀の声が耳に届くたび、昨夜のことが思い出され、体が火照って心臓の鼓動が早くなる。


資料から少し視線を上げた銀とガッツリ目が合った瞬間、呼吸さえ止まってしまった。けれど銀は何事もなかった様に視線を逸らす。


はぁ~窒息寸前。私ったら意識し過ぎだ。


朝礼が終わると私は堪らずオフィスを出てトイレに向かった。廊下の角を曲がり、突き当たりのトイレに駆け込むと高鳴る胸に手を当て深呼吸を一つ。


何やってんだろう……私。これしきのことで、こんなに動揺してどうする? しっかりしろ! ミーメ!


自分を叱咤激励し、なんとか気持ちを落ち着かせトイレから出ると……


「なんだ? 朝から変なモン食ったのか?」


ゲッ! 銀!


「銀、ここで何してるの?」

「朝礼が終わったとたん飛び出して行ったから、心配して見に来てやったんだ。下痢か?」

「ちちち……違う」

「もしかして、昨日の雨で風邪引いたか?」


ヤダ……いきなり昨夜の話題なんて止めてよ。


「どれどれ?」


アタフタしてる私に近づいて来た銀が私のオデコに手を当ててくる。


「ちょっと熱いな……やっぱ風邪か?」


銀のバカ! これは風邪の熱なんかじゃない。


「ミーメがやたら求めてくるからイケナイんだぞ。俺は軽く済ませるつもりだったのに……」

「はぁ?」


てか、キスしたこと覚えてた……


すると銀がニャッと笑い私の肩に手をまわす。


「昨夜の続き、するか?」

「へっ?」


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