actually



額をぶつけた後、痛みにうずくまる私は引きずられるように部屋の中に連れ込まれ手当てをされた




「あー、かわいそう」


「行きなり開けるとかアキ、馬鹿だろ」




「あーもー!うるさーい!ソラもハルも黙ってて!
舞ちゃんごめんね?痛かったでしょ?ごめんね?」





自己紹介もしていないのに私の名前、舞ちゃんと呼びながら私の額にタオルで包んだ氷をあてている人はスーツ3人組の1人でありドアをおもいっきり開けた張本人である




「あ、あのここは何処なんですか?
あなた方は誰なんでしょうか?」





私が連れてこられた場所はマンションのかど部屋の1LDK

昼間にも関わらず窓のカーテンを全て閉めている

ちょーっと、怪しい




「あー、俺達がもう警察じゃないって流石に気付いたか」




え゛





















「ハル、この顔は気付いてなかったみたいだよ」


「・・・・どんだけお気楽な奴なんだよ
お前は俺達の正体を知りたくて
誰かって聞いたんじゃないのか!?」



「いや、名前を聞きたかっただけです」



そんな、カミングアウトされるとは思わなかった!





「・・・分かった、自己紹介だな。

俺の名前はハルだ」






そう言ってハルさんは首の辺りに手をかけ

1枚皮を剥いだ






剥いだ、ってえ゛


「へ、変装してたんですか?」




「そうか、一般人はマスクなんかあんま見ないもんな」






そう言っているハルさんはさっきの容姿とは全然違う



さっきは、白髪混じりのちょっと疲れた顔した四十代のおじさんだったのに

今は、少し長めの黒髪に切れ長の奥二重



例えるなら、




「オヤッサン!」


「いや、俺はヤクザじゃない!」




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