かけぬける青空は、きっと君とつながっている
「……あ、うん。もちろん向こうも好きだよ。明梨だっているし、楽しいし」
「そう」
「でも、ここも同じくらい、大事な場所なの。なんていうのかな、思いっきり息ができるっていうの? 自然体でいられるの」
「両方好き、ってこと?」
「うん。進路を広げるために勉強するには、向こうがいいのも分かってる。お母さんの気持ちは嬉しいけど、でも、今はまだ選べないよ」
頭の中で間宮さんと話したことを思い出していたから、間宮さんに対しての質問かと思ったけれど、あたしの早とちりだったらしい。
少し早口気味に言ってしまって、もしかしたら間宮さんのことをどうにか思っているのではないか、と思われそうで、変に緊張する。
こういう、真面目な話をしているときには不謹慎かもしれないけれど、さっき、間宮さんにぐしゃぐしゃにされた頭のてっぺんが妙にこそばゆくて、無意識にそこを触ってしまう。
それでも、あたしの考えを聞いて「私と菜月は違うものね」とだけ言ったお母さんは、小さく頷いて、切なそうに笑った。
それがどういった意味を持ったものなのか、あたしには真意は分かりかねる。
けれど、お母さんがあたしの気持ちに寄り添おうとしてくれている、ということだけは分かって、あたしは再度、意を決して口を開いた。