かけぬける青空は、きっと君とつながっている
そんな中……。
「間宮君は理系は得意? うちの子、あんまり得意じゃないみたいなんだけど、もしよかったら少し勉強を見てもらえないかしら」
「ちょっ、お母さん!間宮さんはお客さん!そんなことさせられるわけないでしょ!」
4人でテーブルを囲んでのお昼ご飯。
何を言い出すかと思えば、お母さんは唐突に間宮さんに話題を振り、あろうことかあたしの勉強を見てもらえないかと言ってきた。
「いいじゃないのよ、菜月。勉強も進んでいるようには見えないし、間宮君も時間はたっぷりありそうだし。ね、おばあちゃん」
「あたしゃどっちでもいいよ」
そして、迷惑だからと止める努力もむなしく、お母さんはおばあちゃんまでをも味方につけ、間宮さんに「どう?」と打診する。
どっちでもいいなんて言っても、おばあちゃんも間宮さんとの仲を気にしているので、我関せずな立ち位置を装っていても、お母さんの味方に回ったことは明らかだ。
親子揃って本当に……。
妙に肩身が狭い。
そうやって1人、黙々とひやむぎをすすっていると、間宮さんはあっさりとこう言う。
「いいですよ。じゃあ、図書館にでも行って教えてみます。菜月もいいだろ?」