かけぬける青空は、きっと君とつながっている
なんだかもう、ここ数日で“お客さん”という枠を大きく飛び越えてしまっている……。
それには、やたらとフレンドリーになったお母さんの影響が大きいけれど、間宮さんが本当は迷惑しているんじゃないかと心配しているあたしは、なかなか気が気ではない。
やりたいことがあって退学こそしたものの、大学まで行っていたということで、苦手科目の数学や物理を教えてもらえるのは、はかどっていないのが現状だから、あたしはありがたい。
けれど、無理にお母さんに合わせようとしてくれているのだとしたら、本当に申し訳なく思うし、あとでよーく釘を刺しておかないと、後々とんでもないことを言い出しそうだ。
例えば「菜月の彼氏になってくれ」とか。
だから、そういうのじゃないのに……。
「……ちょっと、考えさせてください」
だからあたしは、あたしなりにうんと考えた。
けれど、間宮さんが口を開くより先に、お母さんがそれに飛びつく。
「なによ、菜月。間宮君も引き受けてくれるって言っているんだし、何も考えることなんてないでしょう。今すぐ行きなさいよ」
「そんな横暴な……」
「お母さん、塾も家庭教師も、まだ諦めていないのよ? 最低限、今の成績を維持してもらわないと、本気で通わせちゃうんだから」
「……」