かけぬける青空は、きっと君とつながっている
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「い、行ってきまーす……」
「しっかり教えてもらうのよー」
ということで、民宿の玄関先で楽しそうに手を振るお母さんに見送られ、間宮さんとあたしは図書館へと向かうことになった。
午後の日差しはひときわ強く、全身から一気に汗が吹き出て、肌が焼けるように熱い。
「お母さん、普段はあんな横暴なことを言う人じゃないんですけどね……。ごめんなさい、間宮さん。図書館に着いたら、まずは史料館のほうで何かごちそうさせてください。この間のりんご飴のお礼も、まだでしたもんね」
間宮さんとこうして並んで歩くのは、もう何回目を数えるだろうか。
お母さんたちが変な気を回しはじめてからは、あたしもそれに触発されてか、隣を妙に意識してしまって、なんだか落ち着かない。
そうして、勉強道具を入れている手提げ鞄の持ち手に少し力を入れ、軽くうつむき加減で坂道を下っていると、隣の間宮さんから、思いがけない質問が投げかけられる。
「お前、どうしてそう、気を回してばっかなんだよ。疲れないか? そういうの」
「え?」
今まで、特に意識したり、負担に感じたりはしていなかったことだけに、いまいち質問の意図が読み取れず、顔を上げて聞き返してしまう。