かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
少しばかり肩をすぼませて、お世辞にも、本気で謝っている、とは言えない「すみません」をささやかな反抗としたあたしだった。


それはそうと、こんなに綺麗な満月を2人占めしているこの状況に、若干の緊張が走る。

民宿を出てくるとき、何やら意味ありげに「たっぷり楽しんでらっしゃい」と、お母さんに送り出されたもので、その確実に何かを勘違いしている様子が、やけにプレッシャーだ。

けれど、だから違うんだって、と反論しないことに、今日ようやく、あたしは決めた。


諦めた部分も大きいのだけれど、間宮さんがせっかく、勉強を教えてくれたり、月に関する本を読んであたしに合わせようとしてくれているのだから、あたしも、持て余している気持ちに名前をつけないまま何も気づかないふりをするのはやめよう、そう思うことにしたのだ。

だから若干……いや、かなり、月夜の浜辺に2人きり、というロマンチックなシチュエーションに緊張していて、間宮さんは全然そんなことはないと思うのだけれど、妙に落ち着かない。


「おい」

「……ははは、はいっ!」

「なんだお前。噛みすぎだっつの。アホ」

「うー……」


少し話しかけられただけで、この始末。
 
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