かけぬける青空は、きっと君とつながっている
間宮さんがひとり、のらりくらりと浜辺を歩く後ろ姿をぼーっと眺めながら、これは間宮さんが少し頭を冷やせと言っているのだ、と前向きに捉えることにしたあたしだった。
しかし、変に緊張していることをしっかりと把握されていたなんて、どれだけあたしは態度に出やすい人間なのだろうか……。
これじゃあ、間宮さんが汐凪に泊まりはじめた頃、一目ハルを見ただけで、あたしがハルに不毛な恋をしていたのがバレたときの二の舞だ。
だいぶショック感が否めない。
「間宮さん、貝殻拾いませんか?」
「お。復活か、アホ女子高生」
「アホですから、復活も早いんです!」
それでも、少し時間をあけて、夜のひんやりとした空気に頭を冷やせば、貝殻を拾おう、などと言って間宮さんに懐くのだから、復活の早さもさることながら、とことんアホだ。
開き直りもいいところで、それからしばらくの間、間宮さんに散々、「男が貝殻なんて拾うかバーカ」「アサリしか落ちてねーじゃん」と小言を言われながら、一割以下と思われる綺麗な貝殻を拾っては、間宮さんに見せて満足した。
満月に照らされた間宮さんの顔からは、昨日の浮かない様子はなく、また、なんだかんだと小言を言いつつも、声の調子は楽しそうだ。