かけぬける青空は、きっと君とつながっている
その顔に、やっぱり誘ってよかった、と思う。
ふと気が抜けたときや、間宮さんの顔を見上げたときに、すっと現実に引き戻され、また変に緊張してしまうことは、たびたびあった。
けれど、それもまた、いつの間にか心地いい胸のトクトクとした鼓動にシフトしていって、このままでもいいような気がする、間宮さんを好きかどうかの答えは、なにも急ぎすぎなくてもいいのでは、と、考えを改めさせられる。
「お前な……。ここら一帯はほとんどアサリばっかのくせに、よくもまあ、こんなに巻き貝を集められたもんだな。どんだけ好きなんだよ」
「ふん、どうとでも言ってください」
「あのな。いい加減やめろ。もう持ちきれん」
また見つけた小さな巻き貝を間宮さんに見せに行くと、そう、またしても意地悪を言われる。
巻き貝を探す気はないようだったので、間宮さんには手のひらを借してもらい、巻き貝の受け皿要員になってもらっていたのだけれど、とうとう両の手のひらでは収まりきらなくなった貝殻に、間宮さんがストップをかけたのだ。
「だって……。見つけだすと止まらなくて」
「知らんわ、お前の事情なんて」
「……そうでした」
何かに夢中になっていないと間宮さんを意識してしまう、という、これもまた、勝手すぎるあたしの事情は、ふんと鼻息を荒くする間宮さんを前に、言葉にせずに、ごくりと飲み込む。