かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
ああ、また気を使わせてしまった……。

努めて平静を装おうとしている間宮さんに、今度は申し訳ない気持ちで心臓が痛くなる。


「さっきのホテルの前に公園があったな。ベンチもあるだろうから、そこで食え。いいな」

「……、……はい」


コンビニを出たところで、有無を言わせず袋を渡され、また手を引かれて来た道を戻る。

焦っているのは間宮さんも同じなはずなのに、2人のことに加え、あたしのことまで気遣ってくれるなんて、今日1日で、あたしはどれだけ間宮さんに頼りきっているのだろうか……。

あたしはとても無力だ。

そのことだけは分かって、涙が止まらない。


「泣くな」

「泣いてないですよ……っ」


空元気を振り絞ってそう言っても、何度も指で涙を拭き取ったり、鼻をすすったり、声だって鼻声になっているのだから、バレバレだ。

それでも間宮さんは何も言わず、ただ、ずんずんとあたしの手を引いて歩いてくれ、また間宮さんなりのぶっきらぼうな優しさを痛感する。


数分もすれば先ほどのホテルの前に着き、道路を挟んで反対側の公園へと横断歩道を渡った。

公園の周りは、高い木で囲まれているようで、街灯は明るく光っているものの、車や人がひっきりなしに行き交う表の通りとは違い、人の姿はなく、また一段と薄暗さが濃い。
 
< 174 / 423 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop