かけぬける青空は、きっと君とつながっている
「……ハル? 香ちゃん……?」
2人との距離は数メートル、といったところで確認するように声をかけると、ブランコがきしむ音がし、2人とも立ち上がった気配がした。
次いで、ゆっくりと間を取った1人のほうから「菜、月……か?」と声がする。
かなり途方に暮れ、憔悴しきっている声だったのだけれど、それは紛れもなくハルの声で、隣から「……ごめん」と、今にも消え入りそうなほど小さな香ちゃんの声も暗闇から聞こえた。
やっと……。
やっと、見つけられた……。
そう思うのが早いか、足を進めるのが早いか、体が勝手に動きだしたあたしは、コンビニの袋を投げ出し、2人のもとへ駆け寄ると、力いっぱい、ハルと香ちゃんを抱きしめる。
香ちゃんはすでに大粒の涙を流していて、ハルからも、鼻をすする音がし、あたしなどでは想像もつかないような心細さを感じていたであろう2人は、ほっとしたように息を吐き出す。
けれど、その瞬間、あたしの視界は一気にぐらつきはじめ、足がガクガクしはじめてしまう。
倒れる……そう思ったときには、水の中にいるときのように、みんなの声がくぐもって聞こえ、あたしはそのまま、意識を失ってしまった。