かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
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再びあたしの意識が戻ったのは、体全体を温かい毛布でくるまれているような優しい感覚と、規則正しい心地よい揺れ、それと、ややひんやりとした緩い風に乗ってほのかに香る、シャンプーと汗の匂いが混じっている中だった。

うっすらと目を開けると、目の前には、のど仏と首筋と、Tシャツの首もとから見え隠れしている鎖骨があり、鼻に届くそれらの匂いから、民宿で使っているシャンプーや洗剤だと分かったあたしは、あたしを背負っているのは間宮さんで間違いない、と、そう思う。


「……お。起きたか」


すると、やはり間宮さんの声が至近距離で聞こえ、続けざまに「動くなよ。まだ歩ける体じゃないだろう、休め」と、命令がくだる。


「あの、あたし、倒れたんですか……?」

「ああ。地面に倒れ込む寸前、間一髪で俺が拾ったけどな。それでも、多少は擦りむいているかもしれないし、どこか痛いところがあったら早めに言え。暗くてよく見えなかった」

「はい、ありがとうございます」


そうか。

やっぱりあたしは、あのあと倒れたんだ……。

視界がぐらつきはじめてからは、まるで夢を見ているような感覚だったのだけれど、しばらく記憶がないことや、間宮さんの言葉から、ようやく、倒れたのだという実感が湧く。
 
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