かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
「あの、ハルと香ちゃんは……」

「大丈夫だ、一緒にいる」

「そっか……。よかった、本当によかったです」

「ん。ほら、目の前だ」


顎で前を指す間宮さんの言った通り、少し前に目を向けると、しっかりと手を繋いで歩いている2人の姿が見え、やっと生きた心地がする。

あたしを安心させるために間宮さんが嘘を言った、などとは、けして思ってはいないけれど、自分の目で見て、2人は無事に戻ってきた、という事実を確かめられて、とても嬉しい。


「あの、2人が駆け落ちをした理由は……?」

「それは、お前の目が覚めてから、ってことで話はついてる。今は、駅に向かって歩いているところだ。もうすぐだから、それまで寝たふりをしてろよ。1日中、飲まず食わずで探し回って、ほっとして一気に疲れが出たんだろ」


駅に向かっている、ということは、あたしが気を失っていた時間は、おそらく十数分だろう。

目の前でいきなり倒れられて、さぞびっくりしただろうな……と思い、目が覚めたことを伝えようと口を開きかけたけれど、2人は何か言葉を交わしているようだったので、間宮さんの厚意に甘え、もう少し、寝たふりをしようと思う。
 
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