かけぬける青空は、きっと君とつながっている
結局、ハルと香ちゃんとあたしは、間宮さんに言わせると、3人まとめて“バーカ”らしい。
それもそのはずだ。
無鉄砲な駆け落ちをした2人と、それを無鉄砲に追いかけ、途中で倒れ、また間宮さんの背中にお世話になっているあたしは、みな同類。
“バーカ”のほかに、あたしたちを表す言葉があるのだろうか、と思うくらい、的確だった。
「まあ、とにかく、お前が喋れるくらいの元気はあって、ほっとしてるのは確かだ。ほんっとバカなんだよ、お前は。お人好しだし、向こう見ずにもほどがある。こんなんだったら、口をこじ開けて無理やり食わせときゃよかった」
「いや、それはそれで、どうでしょうか……」
「うっさい。バカ。黙ってろ」
「むう……」
それから散々、あたしは、間宮さんから「バーカ」と言われ続けることとなる。
民宿に着くまで、それはもう、事あるごとに会話のどこかにそれを入れてくるものだから、一生分の「バーカ」を一気に聞いたような気分になり、そんなにバカバカ言わなくても……と、最後のほうは、若干、落ち込み気味だった。
それでも確かなのは、間宮さんの「バーカ」には、きちんと愛が含まれていることだ。