かけぬける青空は、きっと君とつながっている
謝らなくちゃ……。
そう思っても、あんなに怒ったハルを見たのは初めてで、なかなか声が出てこなかった。
「つーか、今の誰」
その空気を動かしたのは間宮さんだった。
睨みつけるような目をこちらに向け、低い声で抑揚なく聞いてくる。
「……し、志賀春人です。み、民宿の近所に住んでいて、小さい頃から手伝ってくれている、あたしの幼なじみのようなもの……です」
「ふーん。で?」
「大変申し訳ありませんでした、失礼なことをしてしまって。配慮が足りませんでした……」
で? と促されて、頭を下げる。
ハルには「ヘラヘラ謝るな」と怒られてしまったけれど、この状況ではどう考えたって悪いのはあたしたちであって、間宮さんがうるさいと感じたのなら、うるさかったのだ。
お客さんあっての、汐凪。
今では客足もだいぶ遠のいてしまったけれど、その数少ないお客さんさえ満足させられないようでは、汐凪の将来は目に見えている。
頭を下げることで許してもらえるのなら、あたしはいくらだって頭を下げる……。
すると。
「そういやあんた、自分にできることなら精一杯対応させてもらう、とか言ってたよな」