かけぬける青空は、きっと君とつながっている
「でも……聞けないよ」
だからといって、17歳の子どものあたしには、間宮さんの心を傷つけずに震災のことを聞く術など、少しも持ち合わせていなかった。
どういう聞き方をしても、間宮さんを傷つけてしまうことには変わりはなく、また、間宮さんの心の中全部をあたしの中で消化しきれ、理解できるとも、恐れ多くて、とても思えない。
あたしはとことん無力で、薄情だ。
間宮さんのために何かできることはあるのだろうか、と頭を巡らせてみたところで、これといって何も浮かばず、無力感を痛感している。
震災を知らずに平々凡々と日々を過ごし、小さなことで悩み、くよくよし、諦め癖が身に染みついていて取れず、人のために動いているように見えるのは、周り回って、結局は自分の自己満足のためなような気がしてしまう。
今まで、一線をおいて間宮さんと関わってきたのは、自分が傷つきたくなかったからだ。
あたしの思考は、そこに行き当たる。
拒絶は前にされている。
けれど、特に傷ついたと感じることはなかったのは、間宮さんがきっぱりと境界線を張ってくれたことによって、ほっとした部分が少なからずあったからではないかと思う。