かけぬける青空は、きっと君とつながっている
●5th.BLUE

写真立ての秘密

 
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翌朝。

眠れない夜を明かし、いつも通りの時間に布団から出て、着替えて台所へ下りていく。

すると、何やらいつもと少し装いが違うお母さんが、すでにだいたいの朝ご飯の支度を済ませていて、あたしの顔を見るなり、言う。


「昨日はご苦労さま。今日くらい寝ていてもよかったのに。それから、今日、家に帰るわ」

「……え、そうなの?」

「本当は昨日帰るつもりだったけど、いろいろあったから。いつまでも家を空けておくわけにもいかないし、ご飯を食べたら行くわ」

「そうなんだ……」


ふふっと笑うお母さんのよそ行きの服装と、ここいいるときはしていなかった化粧もきちんとしているのを見て、そっか、家に帰るからだったんだ、と、今さら合点がいく。

夏休みも、残すところ、あと1週間足らずだ。

お父さんはお盆休みもないくらいに忙しく働いていただろうし、家に戻るには、昨日か今日あたりが、お母さん的にベストだったのだろう。


「あの、あたしはどうしたらいい? 荷物の整理とか準備とか、まだ全然なんだけど……」

「菜月? あなたは好きなときに帰ってらっしゃいよ。それと、間宮君によろしくね」

「はあ」
 
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