かけぬける青空は、きっと君とつながっている
戻ってきたお母さんに顔をのぞき込まれ、思わず、びくっと肩を震わせてしまう。
するとすかさず、特大サイズの紙袋を持っていた手と反対の手で、おでこに手を当てられる。
「熱はないようだけど、昨日の今日だし、きっと疲れが抜けていないのよ。もう1日、帰る日を延ばす? お母さんは構わないけれど」
「ううん、平気。お父さんだって待ってるはずだもん、あたしなら、おばあちゃんもついてるから大丈夫。何かあったら電話するし」
心配そうに眉を寄せるお母さんに、あたしは、大丈夫だから、と念を押す。
もう1日、帰る日を延ばしたところで、お母さん的には本当に構わないのだと思う。
けれど今、いまだに間宮さんとの仲を勘違いしているお母さんに「どうなの?」などと聞かれたりするのは、ちょっと避けたいのが本音だ。
何かの弾みでうっかり泣いてしまったり、口を滑らせてしまったら、それこそ余計な心配をかけてしまうし、あたしは間宮さんは震災の被災者なのだと確信してはいるけれど、実際はそうではないのかもしれない、というのが、曖昧でグレーゾーンなところだったりする。
「ほんとよ? 何かあったときは、ちゃんと電話してくれないと心配するから」
「うん、ごめん。分かってる」