かけぬける青空は、きっと君とつながっている
お母さんの口調は明るかったけれど、昨日、長時間、連絡を取らなかったことを言っているのだと即座に理解し、胸が痛い。
駅で出迎えたときも、民宿までの帰りも、今朝も、お母さんは、けしてあたしを叱ったりはしないものの、娘が突然いなくなったときの心情は、本当に今さらだけれど、察して余りある。
お母さんの心の広さと、あたしへの信頼に、改めて昨日の過ちを反省したあたしだった。
「さあ。菜月も大丈夫だって言うし、早いところ、朝ご飯を済ませましょう。新幹線の時間、けっこう厳しいのよ。重い荷物も持たされることだし、たくさん食べておかないと」
「まったく……。一言も二言も多い子だね」
「はは」
お母さんがテーブルにつくと、おばあちゃんはそう小言をこぼし、相変わらずな2人の様子に少し笑いながら、あたしも椅子を引いて座る。
朝の食卓は、いつもは和食が主なのだけれど、今日に限っては、お母さんの得意料理ばかりが所狭しとテーブルに並んでいた。
オムレツ、手作りドレッシングのサラダ、ナポリタンにクリームコロッケ、それと、洋食の中に、なぜかきゅうりの浅漬け……などなど。
おばあちゃんは「朝から胃に悪い」などと言いながら、それでも全部の料理を少しずつ食べていき、きゅうりの浅漬けは、パクパクいく。