かけぬける青空は、きっと君とつながっている
「それからは、菜月が見てきた通りよ。何かにつけておばあちゃんのことが気になるくせに、昔のことが許せなくてね。そういうお母さんを見て育ってきたからかしらね、菜月には、余計に人に気を使う子にさせてしまったわ」
「そんな……いいよ」
「気、使ってない?」
「ないない」
お母さんには言っていなかったけれど、今のあたしも、けっこう好きだったりするのだ。
そりゃあ、間宮さんのことに関しては、繊細な事柄だけに、どうしたらいいのか判断がつけられず、立ち止まってしまってはいるものの、今はまた少し気持ちが上向いていて、前向きに考えていこう、という気になっている。
昨日、お腹が減っているから頭が変なほうに考えるのだ、と言っていた間宮さんの言葉を思い出して、本当だ、と思うあたしだ。
「そう? ならいいけど」
「うん」
「だからね、あの子たちのことも、探しに行った菜月たちのことも、どうしても怒る気にはなれなかった。17歳だった頃のお母さんと重なっちゃって。むしろ、そういう青臭い経験はしておいたほうがいいとさえ思ったりしてね」
「そうなの?」
「これも間宮君のおかげかしらね。菜月たちは必ず2人を連れ帰る、って信じきっていたの。特別、焦ることもなかったわ」
「そっか」