かけぬける青空は、きっと君とつながっている
お母さん、そんなふうに思っていたんだ。
信頼してハルと香ちゃんのことを任せてくれていたのだと知って、目頭がじんわり熱くなる。
「だから、きっと彼女のほうも大丈夫よ」
「うん、そうだね」
けして口には出さないけれど、香ちゃんと、そのお母さんのことを言っているのだと思った。
あたしのお母さんとおばあちゃんのように、香ちゃんも、お母さんとの関係を修復できる日がきっと来る、あたしも、心からそう思う。
おばあちゃんに反発ばかりしていたという反抗期の先輩が大丈夫だと言っているのだから、これ以上の説得力は、ないに等しい。
「あら。話しているうちに、もう駅だわ。ここからはお母さんだけで大丈夫だから、菜月はもういいわよ。疲れているのに悪かったわね」
「うん」
いつの間にか、目と鼻の先には駅舎が見えてきていて、お母さんはあたしからスーツケースを預かると、1人で颯爽と歩いていく。
その背中を眺めながら、あたしは思った。
相変わらず、こことは違って都会的。
でも、格好いい、と。
すると、くるりと振り返ったお母さんは言う。
「くれぐれも、間宮君によろしくね!」
「うん!」
そうして、あたしは来た道を引き返した。