かけぬける青空は、きっと君とつながっている
けれど、すぐに元のように戻そうと写真立てを拾い上げ、机に置こうと腰をかがめた直後。
「……っ」
背後にただならぬ気配を感じたあたしは、その格好のまま、固まってしまった。
振り向いて確かめなくても分かる。
……間宮さんだ。
「見たのか」
「……、……っ、いえ」
「嘘を言うな。見たんだろ」
「見てません……っ!」
いつもの平淡な調子とはまた違う、凄みのある声に責められ、どうにか声を振り絞って「見ていない」と主張するも、持ったままになっている写真立てが、どうしても震えてしまう。
一番初めに「見たのか」と聞かれたとき、すぐに答えなかったのが、どうやら“見た”と思わせてしまったようで、振り向かずとも、背中に刺さる視線が痛く、また、少しの弁解も受け付けない雰囲気がひしひしと伝わってくる。
そんな間宮さんの、今までに見たことがないほどの怒った様子に微動だにできないでいると、無言であたしのそばまで来た間宮さんは、すごい勢いであたしの手から写真立てを奪い取り、そのまま部屋を出ていってしまう。
「間宮さん……っ!」
はっと我に返って名前を叫んだけれど、当然ながら返事はなく、階段を下りていく音がだんだん小さくなっていき、最後には、玄関を乱暴に閉める音だけが、あたしのところまで響いた。