かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
それは、つい数十分前までの、ほのぼのとしていた雰囲気や、昨日まで少しずつ積み重ね、信頼を得てきた間宮さんとの関係が、一気に崩れ去ってしまった瞬間だった。

あたし、信じてもらえなかったんだ……と思わなかったと言えば、正直なところ、嘘になる。

腹も立つし、悔しいし、悲しいとも思う。

けれど、やっぱり、一番辛いのは間宮さん自身なのではないか、とあたしは思うのだ。


「おばあちゃん、ちょっと出てくる……っ」


掃除用具をそのままに、畑仕事をしているおばあちゃんにそう断りを入れ、あたしは、間宮さんを追って民宿を飛び出していく。

Tシャツにハーフパンツ、ぼさぼさ頭の眼鏡姿という、いつもと同じ、起きたときの格好のままで出ていった間宮さんだ、おそらく、お金は持ち合わせていないだろうと思う。

それに、昼間は薄着で十分に過ごせるけれど、もしも夜になっても見つけられなかった場合を考えると、そんな格好では風邪を引かせてしまうため、あたしのお財布と、間宮さんの服を適当に引っ掴んで外へ出たのだった。


「はあ、はあ、間宮さん……っ!」


あたしの足取りは、かなり重かった。

走っても走っても、少しも前に進んでいないような感覚がずっとつきまとっていて、どうしてこんなに息が切れるの、とさえ思ってしまう。
 
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