かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
そうすると、不思議そうな顔をしつつも、おばあちゃんは「仲良くやりなさいよ」と言うだけに留めてくれ、時間も時間だっただけに、お昼ご飯を食べることになった。


雨は、相変わらず、どしゃ降り。

電気をつけていても、なんだか薄暗く、せっかくのお母さんの料理が、かすんで見える。

おばあちゃんと2人きりの食事、というのも、ここ最近ではほとんどなかったためか、お母さんも間宮さんもいないテーブルがやけに広く感じてしまって、あたしの箸は進まなかった。


午後3時を回って、雨はようやく峠を過ぎたようで、窓の外に目をやっては、まだ止まない、まだ止まない、と、やきもきしていたあたしの目にも、大きな虹がかかったのが見えた。

それを合図にして、あらかじめ、バッグに詰めておいた間宮さんの服や、タオル、お弁当などを持って、また民宿を飛び出す。


「ちょっと出てくるね」

「分かったよ」


お弁当を作っていたことや、着替えなどを用意しているあたしを見ても、おばあちゃんは何も言わなかったけれど、きっと何かを感じているはずで、それが、とても申し訳ない。

けれど、これはあたしの責任なのだ。

できるところまで、自分で頑張ってみたい……。
 
< 226 / 423 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop