かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
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2011年3月11日、午後2時46分。


地震の揺れを感じたのは、自宅でひとり、大学進学に向けての引っ越しの準備をしていたときで、テレビはつけていなかったため、緊急地震速報が出たのかどうかは分からなかった。

けれど、あれほどの大災害をもたらした地震だったのだ、テレビでは間違いなく、緊急地震速報が流れていたのだろうと思う。

携帯のエリアメールもまた、しばらくは気が動転していて見ていなかったけれど、家族や仲間と連絡を取ろうと開いたときに、受信していたのが見えて、ああ、そうだったのか……と脱力したのを、今でもはっきりと覚えている。


いつ治まるとも分からない長く強い揺れに、俺がいた自室は、カラーボックスが倒れ、中に入っていたコミックやその他の本は床に散乱し、重いはずの勉強机は、引き出しが揺れに合わせてガタガタと開閉を繰り返していた。

当然、教科書類や、引き出しの中のものも床に飛び散り、飛んできた本の角が、揺れに耐えるだけで精一杯の俺の左目の下に当たり、鈍い痛みが走るも、しかし、よけることすらできない状況下だったため、物の下敷きにならないだけでもよかった、と思わざるを得ない。
 
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