かけぬける青空は、きっと君とつながっている
ソファーも、その前に置いてあったテーブルも大きく場所が動いていて、いつもこのソファーに座ってテレビを見ていたことが、まるで嘘のようだとさえ思えてきてしまう。
「っ……」
しかし、なんとも言えない、凄まじい惨劇に立ち尽くしている暇は、俺にはなかった。
ガスが漏れたら大変だ、そう思った俺は、ひとまず、片付けは後回しにし、リビングと一続きになっているキッチンへと向かっていく。
スリッパなんて履く頭はなく、靴下のまま、落ちて割れた食器や、レンジ、冷蔵庫の上に置いてあった買い置きのキッチンペーパーなど、あらゆるものが散乱している中を歩き、なんとかガスコンロまでたどり着いて元栓を閉める。
地鳴りをさせてやってきた地震だ、元栓を閉めたところで、どこかでガス管や水道管が破裂でもしていたら意味がないような気もしたが、それでも閉めないよりはマシかと思う。
そうして、とりあえず、火事になることだけは避けたあとは、外の様子はどうなっているだろう……と急に思い立ち、また床に散乱している物をかき分けながら、玄関へ向かった。
案の定、靴箱の上の水槽は、落ちて割れ、水が飛び散っていて、熱帯魚たちが息も絶え絶えに玄関のコンクリートの上を跳ねている。