かけぬける青空は、きっと君とつながっている
「……わあぁっ。昼間でも、けっこう綺麗に見えるものなんですね!」
「けっこうは余計」
「わわっ、すみません」
やがて全部の花火に火がつき、シューシューと火薬が燃える音と匂いが辺りを包むと、それでも花火の綺麗さは夜に引けを取らない。
その中から見える赤や黄、青や緑の炎は昼間でも鮮やかで、あたしは思わず身を乗り出した。
一方の間宮さんは、花火の輪を一周ぐるりと見渡すと、スッと視線を空に投げる。
「ーーーーーーーーーー」
そして、あたしには聞き取れないくらい小さな声で、何かをつぶやいた。
間宮さんはそれからしばらく、空に上っていく煙を見送っていて、あたしは受け取った水を飲むのも忘れてその横顔を見つめていた。
「じゃあ、お前、片付け」
「あ、はい」
最後の花火が燃え尽きると、間宮さんはスッと元の口調と態度に戻る。
やっぱり昼間から花火をしようというのには理由がある気がするけれど、すっかり元の偉そうな振るまいに戻っているから、見なかったことにしたほうがいいのかもしれない。
「つーか、聞かないんだな。聞かれても答えるかどうかは俺の気分次第だけど、ここまで見せられたら、普通の奴なら聞くかと思ってた」