かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
そういう、小さな幸運に恵まれながら、俺たちは集会所を目指して歩き続けた。

雪は、いつの間にか、粉雪から牡丹雪に変わっていて、避難している人の多くは、コートのフードをかぶり、下を向いて黙々と歩いている。

小学生たちにとっては、地震発生の時刻が放課後にあたっていたためか、祖父母とともに避難している姿が多く見受けられた。

また、携帯のメール機能は使えるようで、操作をしていた子どもたちからは、父親や母親と連絡を取り合えたことに対しての喜びの声が聞こえ、嬉しそうにしている子の姿もある。


「そういえば、あなたのご家族の無事は確認できたの? 1人で避難しているようだけど」

「いえ、まだです。でも、父も母も、今日は内陸のほうに行っていますし、無事に間違いはないかと思います。ありがとうございます」

「そう、それなら、まずは安心ね」

「はい」


子どもたちの声を聞いてか、お嫁さんのほうが俺の家族の安否を気遣ってくれ、答えると、背中のばあさんからも「よかった……。あとはお前が逃げるだけだね」と声をかけてもらった。

幸いにも、両親とも朝から内陸部に出向いていて、父親は出張で、母親は実家のほうで法事があるとかで、そちらに行っている。
 
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