かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
「ばあさん、ストーブの前に行こう。今、つけてきたばっかりだから、暖まるまで時間がかかるかもしれないけど、外よりはいいから」

「いや、でも……」

「孫の頼みだと思って聞いてくれよ。な」

「……、……そうかい、申し訳ないね」


外に出てばあさんたちを探し当て、近くにいた子どもたちにも頼み、ばあさんを連れて一緒に中に入ってもらえるよう、取り計らう。

そうしていると、先ほど「老人ホームはまゆりの人たちは全員無事だ」と知らせながら集会所を目指していたワゴン車が到着し、すぐに駆け寄り、十数人のお年寄りたちを、運転していた男性職員の方とともに中に誘導する。

確か『はまゆり』という施設には入所しているお年寄りもいたはずで、気になり、その人たちはどうなっているのかを聞いてみると、男性職員からは、こう答えが返ってきた。


「動けない方たちは、ベッドごと運んだり、抱きかかえたりして、とにかく上へ上へと避難させました。私がデイサービスの方たちを車に乗せてこちらへ向かったときは、まだ津波は来ていませんでしたが、今はどうなっているか……」

「……そうでしたか」

「ええ。高い建物ですので、ある程度、津波の被害は避けられるかと思うのですが……。その方たちは、居合わせた職員が全力でお世話しているはずです。私も、すぐに施設に戻ります」
 
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