かけぬける青空は、きっと君とつながっている
片付けを進めていると、さっきまであたしが背中を預けていた柵に寄りかかった間宮さんが、少し意外そうに聞いてきた。
手には、暑さやあたしの手の熱で生ぬるくなっているだろうペットボトルを持って、そのキャップを手持ちぶさたでいじっている。
「いえ、間宮さんのお役に立てれば、あたしはそれで……。例えばですけど、荷物を持てと言われれば持ちますし、花火もそうですよ」
「ふーん。じゃあ、海に飛び込めって言えば、お前はその通りにするわけだ」
「そうですねぇ、安全な高さからなら、なんとか……って感じですけど、それでよければ」
どうして間宮さんが急にこんな話を始めたのか、あたしには真意は分からない。
ただ、間宮さんには朝、掃除機やハルのことで迷惑をかけているから、本当に海に飛び込めと言われれば、そうするしかない。
……泳ぎにはそんなに自信がなくて、飛び込んだあとは助けてもらいたいけれど。
助けてくれます、よね……?
「つまんねー奴だな、お前。そんなんだから民宿はどんどん廃れていくし、ハルとかいう奴にだって知らない間に彼女できんだよ」
すると、間宮さんの口から、ひどく辛辣な言葉が飛び出していった。