かけぬける青空は、きっと君とつながっている
それでも人は建物の中に集まらざるを得ない。
雨風をしのげる建物がないと、ろくに眠れもせず、固く冷たい床の上では、たとえ横になって休んでみたとしても、疲れなんてひとつも取れないのが、俺たち人間という生き物だ。
そういう贅沢な生き方をしてきたのだと、避難してきた人で溢れかえる、変わり果ててしまった校舎を見ながら、つくづく思わされる。
「ダメだ、いない……」
それからたっぷり時間をかけ、秀斗の名前を見落とさないように気をつけながら、3階校舎の教室を全て訪ねて回ったけれど、収穫という収穫はこれといってなく、確かなのは、秀斗は小学校には避難していなかった事実だけだった。
ほかにも避難所はいくつかあると聞くし、どうやら、避難所をしらみ潰し的に探し回るほか、秀斗の安否の確認はできないらしい。
遺体安置所となっている場所も、人づてに聞いて、何ヶ所か知ってはいるものの、そこには絶対に行かない、というのが、俺の抵抗だった。
震災から徐々に日が経ち、しかしどこの避難所を探しても見つからず、迷いに迷った末、悲痛な覚悟とともに、そちらに出向く人も、出てきていることには出てきている。