かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
数日前、違う仲間を探しに別の場所へ出向いたときには、神社だったと思われる跡地で、泥だらけのペットボトルを賽銭箱代わりにして手を合わせている人にも出会った。

俺はそのとき、あいにく財布を持っておらず、ただ手を合わせるだけになってしまったのだけれど、近いうちに、また行こうと思っている。


「ここ、か。いてくれよ、秀斗……」


いまだ、大量に積み重なっているがれきや土砂の中を進み、夕暮れ間近となった頃、ようやく俺は、目的の避難所の前にたどり着いた。

そこは、俺が避難している集会所と同じような小さな建物で、入り口で少し中の様子を覗いてみたところ、若い人の姿は見受けられない。


「……あの、すみません、避難者名簿を見せて頂けたらと思って、お邪魔しました」


なかなか望みは薄そうな気もするけれど、まずは避難者名簿を見せてもらわないと判断がつけられない、そう思い、入り口付近に座っていたお年寄りに声をかけてから、外に出ている長机の上に置かれてある名簿を手に取る。

名前の横に、括弧書きで年齢や住所などを書いている避難所もあり、ここはそういうところなのだと名簿を見てすぐに分かったものの、やはり避難者の年齢は全体的に高いようで、若い人でも、40代、50代の人が多いようだった。
 
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